“Cracked Mirrors” (1987) Harry Pepl, Herbert Joos, Jon Christensen
Harry Pepl (Guitar, MIDI Controller, Piano)
Herbert Joos (Flugelhorn) Jon Christensen (Drums)
フリージャズ、フュージョンの色合いも混ざる妖しいジャズ。
スペーシーなギターと電子音、静かにヒタヒタと迫ってくるようなドラム、漂うトランペット。
強い浮遊感の中のしばしばの強烈な疾走。
ギターはジャズがベースだと思うのですが、Bill Frisell的な不思議感たっぷり、あるいは疾走する場面はJohn McLaughlinのようでもあるし、現代の先端系のようでもあるし。
冒頭は風の音と静かで妖しい疾走ギター、漂うミュートトランペット。
牧歌的な感じもしばしば、静かな場面は“In a Silent Way”(Feb.1969) Miles Davisのようでもあるし、Ornette Coleman的な疾走曲があったり、クラシカルでメロディアスな局面があったり・・・
ヒタヒタと迫るビートが刻み続けられ、変幻自在のギターとトランペット。
哀しい表情、ほどほどの緊張感。
激情に走るわけでも、耽美にはまるわけでも無く、淡々とクールに音楽は進んでいきます。
最後は前向きでメロディアスなピアノ演奏で締める組曲風。
“Cracked Mirrors”なんて、サスペンスにもSFにもオカルトにもなりそうなカッコいいタイトルですが、オカルト臭無しのSFサスペンス映画のサントラってな感じ。
あるいは繊細で陰鬱なWeather Reportってな感じ。
とてもカッコいいと思います。
※近い時期の演奏から。
posted by H.A.