“Sound Museum: Hidden Man” (1996) Ornette Coleman
Ornette Coleman (alto saxophone, trumpet, violin)
Geri Allen (piano) Charnett Moffett (bass) Denardo Coleman (drums)
Ornette Coleman、1996年のセッション。
“Sound Museum: Three Women” (1996)と対になる、というか、ほぼ同じ楽曲をほぼ同じメンバーで演奏した二作。
エレクトリック、エスニックなエスニックなファンク、その他諸々を経て、この人にとっては珍しくピアノが加わったオーソドックスなカルテット編成のジャズ。
中堅~ベテランに入った期のGeri Allenに、かつての盟友のご子息のベース、自身のご子息のドラム。
硬軟織り交ぜたぶっ飛びピアノに、重厚なCharlie Hadenとは違って軽快に動きまくるベース、叩きまくりドラム。
アルトサックスに合わせて変化していくというよりも、ピアノが主導して背景を作っているようにも聞こえます。
ぶっ飛んでいく音楽を引き戻しているようにも、率先してぶっ飛んでいっているようにも聞こえる素晴らしいピアノトリオ。
充分に過激ですが、ピアノが入った分華やいだ感じ、展開もつかみやすく、普通のジャズとして聞き易いのかも。
さすがつわものGeri Allen。
その上を自在に飛び回るアルトサックス。
コンパクトにまとめられた全14編。
シリアスな激烈系ばかりではなく、漂うようなバラード、ラテン、すっとぼけたような不思議曲、賛美歌、などなど、さまざまな色合い。
20世紀の終末近く、その世紀のジャズのいろんな要素を織り込んだハイテンションなアコースティックジャズの一作。
posted by H.A.