“Chappaqua Suite” (1965) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone)
David Izenzon (double bass) Charles Moffett (drums)
Pharoah Sanders (tenor saxophone)
& Orchestra

CHAPPAQUA SUITE
ORNETTE COLEMAN
FIVEFOUR
2012-08-05


 Ornette Coleman、摩訶不思議なアルバム。
 映画音楽として作ろうとして使われなかった?などのいわくつきのようです。
 基本的にはピアノレスのサックストリオと管楽器オーケストラの共演。
 トリオの演奏は、同メンバーでの“At the "Golden Circle" Vol. 1& 2.” (1965)に近い感じ、あくまで4ビートジャズ。
 ビートが伸び縮みするような場面が多く、変幻自在な印象ながら、三者がピシッと決まった感じの極めてタイトな演奏。
 が、背景を彩るオーケストラがなんだか変。
 現代音楽的に譜面化された演奏なのでしょうが、何か調子っはずれな感じ。
 そんな中でひたすら鳴るアルトサックス。
 オーケストラが抜けると晴れ間が見えるようなキリッとしたジャズ。
 が、オーケストラが戻ってくると何かモヤっとした感じでアレレ・・・
 ってな感じの演奏の連続。
 摩訶不思議なのですが、あらかじめ長さも展開も計算尽くで、その制約の中でトリオでインプロビゼーションを展開していったのでしょう。
 LPで二枚、全4パート、各曲長尺な演奏ですが、なぜか長さを感じないのは、予想できない展開とバラけない統制の取れた演奏ゆえでしょうか。
 Pharoah Sandersが前面に出るのは少々のみ。
 狂気を纏った“Live in Seattle” (Sep.30.1965) John Coltraneへの参加直前期なのが、これまた興味深いところ。
 実験的色合いの混ざった不思議なジャズ、そしてOrnette Colemanトリオのタイトでハードなジャズをたっぷり聞くにもいい一作。




posted by H.A.