“Ornette on Tenor” (1962) Ornette Coleman

Ornette Coleman (tenor saxophone)
Jimmy Garrison (bass) Ed Blackwell (drums)
Don Cherry (pocket trumpet)

Ornette on Tenor
Ornette Coleman
Rhino/Wea UK
2004-05-03


 Ornette Coleman、1960年作。
 全編テナーサックスを吹いた一作。
 いつもと同じくDon Cherryが加わるピアノレスカルテット。
 楽曲のイメージも変わりませんが、演奏の印象は異なります。
 アップテンポ中心の演奏、不思議感も少なめのクールなジャズ。
 重心が下がってヘビーになったような、その逆、ベースが軽くなって浮遊感が出たような、複雑な質感の変化。
 ひしゃげたようなダーティーな音のテナーサックス、Archie Sheppをスッキリさせたような感じでしょうか。
 重心と音は変わっても加速、疾走はアルトサックスに同じ。
 やさぐれた感じがカッコいい。
 なぜテナーサックスを吹いたのかは知りません。
 が、何の違和感もなくいつもの音楽にピッタリはまっているとともに、エキセントリックさが薄まって、より普通にジャズっぽい感じ。
 諸作に比べると不思議な安定感、男臭いハードボイルドネスたっぷり。
 とてもカッコいいのですが、テナーを吹く作品が限られるのはなぜでしょう?
 アルトでの軽く舞い上がる感じが表現できないから?
 さて?
 ともあれ、カッコいいテナーサックス奏者Ornette Colemanの希少な一作。




posted by H.A.