“This Is Our Music” (Jul.Aug.1960) Ornette Coleman
Ornette Coleman (alto saxophone)
Charlie Haden (bass) Ed Blackwell (drums)
Don Cherry (pocket trumpet)
Ornette Coleman、1960年作。
問題作“Free Jazz” (Dec.1960)の数ヶ月前の録音。
“The Shape of Jazz to Come” (May.1959)、“Change of the Century” (Oct.1959)のメンバーからドラマーが交代したカルテット。
オーソドックスなモダンジャズに近いイメージの演奏から、全編ルバートでのスローバラード、超高速カッとびジャズ、スタンダード・・・などなど、さまざまな表情。
オーソドックスなジャズの形が崩れてきた感じ、フリージャズっぽい演奏もちらほらしますが、どれもが計算尽くで組み立てられた展開なのでしょう。
ブレークだらけで複雑だけどもまだまだ平和な感じテーマのアンサンブルが終わると、徐々に時空が歪み始め、アレレと思っていると、なぜか唐突にテーマに戻る、そんな繰り返し。
そして殺気を発するベースが煽る緊張感。
優雅なはずの”Embraceable You”までが異次元から聞こえてくるような、別の何かのように響きます。
かといって意味不明でもグチャグチャでもない、絶妙なバランス。
同年の問題作“Free Jazz” (Dec.1960)っぽさは・・・さてどうでしょう。
モダンジャズ、激烈フリーでも、深層心理覗き込む系でも、現代音楽風でもない、あくまでOrnette Colemanのジャズ。
そんなバランスがクールな一作。
posted by H.A.