“Tribute” (1974) Paul Motian
Paul Motian (drums, percussion)
Sam Brown (acoustic, electric guitars) Paul Metzke (electric guitar) Charlie Haden (bass)
Carlos Ward (alto sax)
Charlie Hadenと二人のギターに、楽曲によってサックスが加わる編成。
ECM、あるいは後のPaul Motian Trioのお約束、とても静かで妖しい、全編ルバートでのスローバラードがてんこもり。
物悲しい音を奏でるギターに沈み込むベース、その中を漂う刃物のように鋭いサックス。
そして、ときにパコーン、ポコーン、チーン・・・、ときにバシャバシャ・・・、ビートを出しているのか出していないのか、何なのかよくわからないドラム。
それがカッコいい。
あの“Death and the Flower” (1974) と同時期、音楽の色合いは違いますが、当のKeith Jarrettが加わればあのバンドになりそうなメンバーになんだから、カッコよくて当たり前。
それと雰囲気が違うのは、終始前面に出るギターとクールな質感、後のTrioと違った感じがするのは、サイケと寂寥の間を行き来するギターと下の方で激しく蠢くベースゆえでしょうか。
“Liberation Music Orchestra” (1969) Charlie Hadenに近い感じがしないでもないですが、もっとクール。
全編を通じたダークなトーンもあわせて、とてもハードボイルドな妖しいジャズ。
あまり話題にならないアルバムなのかもしれませんが、紛うことなき名演、名作。
※近い時期、近いメンバーでの演奏から。雰囲気は違いますが・・・
posted by H.A.