“The Third Decade” (1994) The Art Ensemble of Chicago
Lester Bowie (trumpet, fluegelhorn)
Joseph Jarman (saxophones, clarinets, percussion, synthesizer) Roscoe Mitchell (saxophones, clarinets, flute, percussion) Malachi Favors Maghostut (bass, percussion) Don Moye (drums, percussion)
The Art Ensemble of Chicago、ライブ録音を挿んでECMでのスタジオ録音第三作。
本作も摩訶不思議な音がてんこ盛り、でも穏やかな音が中心。 冒頭はスペーシーなシンセサイザーの響きと穏やかな木管楽器のアンサンブル。
続くは明るい色合いのファンクチューン。
さらにはノスタルジック風味のジャズバラード。
いろんな不思議な音が飛び交い、ぶっ飛んでいくような、ぶっ壊れていくようなムードを醸し出しつつも、落ち着いたところに納まっていくアンサンブル。
後半に入ると、鐘の音を中心とした摩訶不思議なアンサンブルが入り、それらしくなりますが、続くはBlue Noteっぽささえも漂うようなバップチューン。
キリッとしたウォーキングベースに整然としたソロ回し。
それなりによじれた感じではあるのですが、その普通のジャズ感が逆に摩訶不思議。
締めはようやく登場、アフリカンなパーカッション群に導かれた、怒涛のコレクティブフリーインプロビゼーション。
激烈で沈痛な面持ち。
そこに至るまでの明るさを想い出すと、これまた摩訶不思議。
ファンタジックで明るくて穏やか・・・、って感じには落ち着かない、Art Ensemble of Chicagoワールド。
摩訶不思議。
posted by H.A.