“Avant Pop” (1986) Lester Bowie, Brass Fantasy

Lester Bowie (trumpet)
Rasul Siddik, Malachi Thompson (trumpet) Stanton Davis (trumpet, flugelhorn) Frank Lacy, Steve Turre (trombone) Vincent Chancey (French horn) Bob Stewart (tuba) Phillip Wilson (drums)

Avant Pop
Lester Bowie
Ecm Records
2000-09-12


Lester Bowie、Brass FantasyでのECM制作。
ブラスセクションのアンサンブルを中心として、ソウル、ファンク、ポップスを演奏しよう、ってなスタイルのバンドだったのでしょう。
本作も半数はソウル、ポップス、オリジナル曲もソウル、ファンクな感じ。
演奏自体は、現代ジャズとニューオリンズな感じのオールドスタイルジャズとフリー混じりのコレクティブインプロビゼーションをフュージョンさせたようなサウンド。
混沌の時間はほとんどなく、また、ポップな楽曲が多く取り上げられ、わかりやすい音。
が、やはりどこかよじれています。
コミカルにも妖しくも聞こえるチューバのベースライン、ときおり素っ頓狂にも響くホーンアンサンブル、過剰なまでのドラマチックな感じな演出も織り込みつつのサウンド。
が、前面に出るのは端正なジャズのインプロビゼーション。
なんだか不思議なバランスです。
これはきっと何かあるぞ、と思わせつつ、オーソドックスにも聞こえてしまうビッグバンド風ジャズ。
素直にスウィンギーで楽しそうな演奏を楽しめばいいのかな、と思いつつも、それだけだともったいないような、裏の何かを見落としてしまうような不思議な感覚。
さておき、このジャストなジャズ、ソウルな感じはECMとはちょっとミスマッチだなあ。
 それも含めて、やはり摩訶不思議。




posted by H.A.