“All the Magic” (1982) Lester Bowie

Lester Bowie (trumpet)
Art Matthews (piano) Fred Williams (bass) Phillip Wilson (drums) Ari Brown (tenor, soprano saxophones)
Fontella Bass, David Peaston (vocals)



 Lester Bowie、ソロ名義リーダー作、1982年制作。
 前作“The Great Pretender” (1981)に同じ編成、ピアノとサックスはメンバー交代しています。
 前作と同じ感じの一枚と、トランペットその他のソロ演奏が一枚の二枚組。
 一枚目はブラックミュージックの巨人たちへのトリビュートなのであろう演奏集。
 冒頭は漂うような音の流れ、ゴスペルチックなバラードからスタート。
 タイトルの”Luis”はArmstrongさんのことでしょうか。
 ボーカルも交えつつのたっぷり十数分。
 いつ激烈フリーに変わるのかと身構えていても、最後までゆったりとした演奏は変わりません。
 続いて少々陰鬱なフリージャズ、カリプソ仕立てのAlbert Ayler。
 もう一曲の長尺な演奏は、静かで沈痛なフリーな演奏でスタート。
 その中から突然現れ、キッチリ歌われるバラード”Everything Must Change”。
 そして絶叫とともに再び始まるフリーな演奏、激しい集団即興的フリージャズ。
 そして締めはLouis Jordan、あるいはRay Charlesに捧げたのであろう、ジャンピーでハッピーな演奏。
 フリージャズの時間もたっぷり、インプロビゼーションたっぷり、ブルース、ゴスペルなボーカルも散りばめた、さまざまなブラックミュージックのイントロダクション・・・
 ・・・にしては、いろんなところでひねくれているというか、それがカッコいいというか、何と申しましょうか。
 やはり摩訶不思議。
 もう一枚のソロ演奏は・・・さてこれはどうなんでしょう?
 短く刻まれた各曲は、オーバーダビングを交えつつ、例の強烈な表現力でたっぷり吹いている場面もたくさんありますが、水の中に突っ込んでブクブクブク・・・
 これまた摩訶不思議。

※Brass Fantasyでの演奏から。


posted by H.A.