“Finally” (Feb.1992) Joe Pass, Red Mitchell
Joe Pass (guitar) Red Mitchell (bass, vocal)
かつての激しいジャズ、フュージョンブームの熱は落ち、落ち着いたムードで奏でられていくジャズスタンダードの数々。
ギターの音も飾り気のないジャズの音に戻りました。
少し沈んだムード。
ベースも饒舌ながら落ち着いた演奏。
ベースがいる分、“Virtuoso” (1973)のようにガシガシとコードやオブリガードを自身で挿む必要もなく、シングルトーンでのテーマ~インプロビゼーション、コードでのバッキング。
オーソドックスです。
指は速く動きます。
が、テーマのメロディはむしろタメを効かせて遅れ気味に置かれていき、要所々のフレーズ、オブリガードでときおり、いや、しばしば聞かれる例の神技高速フレーズ。
それら含めてとても繊細。
このくらいの感じがちょうどいいなあ。
あの激しい演奏を経てはじめて到達する境地・・・かどうかはさておき・・・、それはとても穏やかで優しく、そしてオーソドックス。
やはり名人芸、あるいは神技。
posted by H.A.