“Virtuoso” (1973) Joe Pass

Joe Pass (guitar)

Virtuoso
Joe Pass
Ojc
2010-03-30


 Joe Pass、ギターの独奏。
 Joe Passといえばこれ、なのでしょう。
 エレキギターでもクリーントーンなら涼し気な音にもなりそうなのですが、そうはいきません。
 優雅でロマンチックなジャズスタンダード、バラード中心の選曲、ゆったりと始まりますが、徐々にではなく、あっという間に指の速度が上がります。
 ゆったりとしたテーマの合間々に挿まれるハイテンションで高速なオブリガード。
 コンボでの怒涛の速弾きそのままに、さらにコードを織り交ぜつつの怒涛のような音の流れ。
 ゆっくり弾こうと思っていても、我慢できません、ってな感じ・・・かどうかは分かりませんが、次から次へ、これでもかこれでもかと、湧き出してくるように音符が並びます。
 色気のない硬い音、いかにも鉄線を弾いています、ってなギターの音も相まって、静かでロマンチックってよりも、ハードでアグレッシブ、とってもスウィンギー。
 落ち着いた方がよければ、コンボの“Simplicity” (1967)、トリオの“Intercontinental” (1970)あたりの方がいいかもしれませんが、それらはこの人にしては特殊なアルバムなのかな?
 こちらは、最初から最後まで、ギターの音が激しく湧き出し続ける魔法の泉、そんなアルバム。




posted by H.A.