“Virtuoso” (1973) Joe Pass
Joe Pass (guitar)
Joe Pass、ギターの独奏。
Joe Passといえばこれ、なのでしょう。
エレキギターでもクリーントーンなら涼し気な音にもなりそうなのですが、そうはいきません。
優雅でロマンチックなジャズスタンダード、バラード中心の選曲、ゆったりと始まりますが、徐々にではなく、あっという間に指の速度が上がります。
ゆったりとしたテーマの合間々に挿まれるハイテンションで高速なオブリガード。
コンボでの怒涛の速弾きそのままに、さらにコードを織り交ぜつつの怒涛のような音の流れ。
ゆっくり弾こうと思っていても、我慢できません、ってな感じ・・・かどうかは分かりませんが、次から次へ、これでもかこれでもかと、湧き出してくるように音符が並びます。
色気のない硬い音、いかにも鉄線を弾いています、ってなギターの音も相まって、静かでロマンチックってよりも、ハードでアグレッシブ、とってもスウィンギー。
落ち着いた方がよければ、コンボの“Simplicity” (1967)、トリオの“Intercontinental” (1970)あたりの方がいいかもしれませんが、それらはこの人にしては特殊なアルバムなのかな?
こちらは、最初から最後まで、ギターの音が激しく湧き出し続ける魔法の泉、そんなアルバム。
posted by H.A.