“Sunrize” (2009) Masabumi Kikuchi
Masabumi Kikuchi (piano)
Thomas Morgan (bass) Paul Motian (drums)
菊地雅章氏、2009年のトリオ作品、ECMレコードから。
大御所Paul Motian、近年の ECMのファーストコールなベーシストとのトリオ。
静かで穏やか、とても繊細な音。
甘いメロディを奏でるわけでも、フリーに飛び交うわけでも、疾走するわけでもない、ゆったりとしたテンポで淡く断片的なメロディを繰り出すピアノ。
それに寄り添うように静かにビート繰り出すドラム、ベース。
不思議で先の読めない音の流れの中にときおり表出する、美しいメロディの断片。
メロディが見えてきそうで見えない、ビートが定まりそうで定まらない、抽象的なようでなぜか美しい音の流れ。
小さく聞こえる苦悶するようなうなり声、ときおりのフリーで激しい音。
が、なぜか優しい音。
全部合わせてとても繊細。
21世紀前後からECMレコードの音楽は淡く優しくなったように感じますが、それとも違うように思います。
類似するピアノトリオがすぐには思いつかない、希少な質感。
日本的な旋律や音階があるわけではありません。
が、この繊細な感じが日本的な色合いなんだろうなあ、と思う演奏集。
が、この繊細な感じが日本的な色合いなんだろうなあ、と思う演奏集。
※別のアルバムから。
posted by H.A.