“Not in Our Name” (2004) Charlie Haden Liberation Music Orchestra

Charlie Haden (bass)
Carla Bley (piano, arranger, conductor) Steve Cardenas (guitar) Matt Wilson (drums)
Michael Rodriguez, Seneca Black (trumpet) Curtis Fowlkes (trombone) Ahnee Sharon Freeman (French horn) Joe Daly (tuba) Miguel Zenón (alto saxophone) Chris Cheek (tenor saxophone) Tony Malaby (flute, tenor saxophone)

Not in Our Name
Charlie Haden Liberation Music Orchestra
Verve
2005-08-30


 Charlie Haden、2004年、21世紀に入ってのLiberation Music Orchestra、“Dream Keeper” (1990)以来のアルバム。
 楽器編成は大きく変わっていないのだと思いますが、もう一人の主役Carla Bley以外は全員新しいメンバー。
 初期のフリー色がなくなり、スッキリしたイメージ、メロディアスなコンテンポラリージャズ。
 例のアバンギャルド、あるいは涙ちょちょ切れなセンチメンタル曲中心ではなく、Pat Metheny/ Lyle Mays/ David Bowie, Ornettte Coleman, Bill Frisellなどなど、縁のありそうな面々の楽曲が多く取り上げられています。
 お約束?のスパニッシュテイストあり、レゲエあり、霊歌風あり、ワルツあり。
 手練れた管楽器のインプロビゼーション、ところどころに彩りを加えるギター、沈み込むベース。
 かつての混沌、ドロドロした情念のようなもの、フリーキーな音、嗜虐感などなど、とんがった音が表出される場面はほとんどありません。
 アレンジもひねくれた感じはなく、おおむねオーソドックスでスッキリ爽やか。
 テーマは母国アメリカなのでしょう。
 何かしらの問題を糾弾する、あるいは悲哀で覆われた感じはなく、おおらかな空気感。
 大人になったというか、平和になったというか。
 もちろんリズム隊もフロント陣も名人芸の手練れた演奏。
 個々の楽曲のメロディとインプロビゼーションが前面に出る、洗練された現代的なジャズ。
 くすんだイメージの“Liberation Music Orchestra” (1969)のジャケットを模した明るい雰囲気のカラフルなジャケット、そのままな音。
 メッセージ、あるいは時代感さておき、トゲが取れて丸くなった、そんなLiberation Music Orchestra。




posted by H.A.