“Eastward” (1970) Gary Peacock Trio

Gary Peacock (bass) 
Masabumi Kikuchi (Piano) Hiroshi Murakami (Drums)

イーストワード
ゲイリー・ピーコック
ソニー・ミュージックレコーズ
1997-09-21


 Gary Peacock、1970年、日本で制作したピアノトリオ。
 ピアノは菊池雅章氏。
 フリー色はありませんが、モダンジャズからははみ出したコンテンポラリージャズ。
 少々硬質な質感の録音、とても繊細な音、キリッとした質感のクールなジャズ。
 ベースは饒舌ながらハードボイルドなあの佇まい。
 楽曲はあのごっつくて気難しい印象ではなく、日本的な音の動きを交えつつのコンテンポラリージャズ。
 クールなジャズに優し気なワルツ、雅な展開、ジャズロック風、そして後々まで繰り返し演奏される”Little Abi”。
 とても繊細に聞こえるのは、リリカルなピアノ、あるいは日本の空気感故でしょうか。
 零れ落ちるような、ハラハラと舞い落ちるような、そんな場面がそこかしこ。 
 あの“Paul Bley with Gary Peacock” (1963, 1968) からはずいぶん経ち、“Tales Of Another” (Feb.1977)はまだまだ先。
 バタ臭い(死語ですか?)感じのそれらに対して、あくまで端正で楚々とした感じ。
 1970年代初頭の日本、モダンジャズから一歩踏み出たジャズ。
 繊細さ、そこはかとない日本っぽさがとてもモダン。




posted by H.A.