“Time Remembers One Time Once” (1981) Denny Zeitlin, Charlie Haden

Denny Zeitlin (piano) Charlie Haden (bass)



 アメリカ西海岸のピアニストDenny ZeitlinとCharlie HadenのDuo、ライブ録音、ECMレコードから。
 ECMからなのが異色。
 それもアメリカ西海岸San Francisco, Keystone Korner,、ってどうも陽気なモダンジャズっぽい感じがして、ECMとは水と油なような気が無きにしもあらず・・・
 もちろん名人のお二人、名人芸な穏やかなジャズ。
 二人のオリジナル曲にOrnette Coleman、スタンダードを少々の選曲。
 妖しく沈痛なCharlie Hadenな空気感からスタート。
 音数を絞ってタメを効かせて置かれていくピアノ。
 沈んだ空気感、ドラムレスゆえの穏やかな音の流れ。
 続くOrnette Colemanナンバーでは明度が上がりつつ、疾走し転げまわるピアノ。
 さらにベースが先導するジャズスタンダードを経て、Denny ZeitlinのワルツあたりからBill Evans的モダンジャズな空気感に変わっていきます。
 とても優雅。
 “Closeness” (1976)でKeith Jarrett との超弩級の名演がある”Ellen David”は少し沈んだムード、Charlie Hadenがリードする穏やかな演奏。
 しっかりとタメを効かせ、ゆったりと音を置いていく美しく柔らかないピアノ。
 狂気と激情が混ざるKeith Jarrettとは好対照。
 さらに締めにはちょっと沈んだ感じながら、なんだかんだで軽快なボサノバ。
 Denny ZeitlinはECMではこれ一作ですか。
 本作でもとても素敵なピアノ、カッコいいジャズなのですが、さもありなん。


 

posted by H.A.