“The Ballad of the Fallen” (1983) Charlie Haden

Charlie Haden (double bass)
Carla Bley (piano, glockenspiel, arrangements) Mick Goodrick (guitar) Paul Motian (percussion, drums)
Don Cherry (pocket trumpet) Michael Mantler (trumpet) Gary Valente (trombone) Sharon Freeman (French horn) Jack Jeffers (tuba) Dewey Redman (tenor saxophone) Jim Pepper (flute, soprano, tenor saxophone) Steve Slagle (clarinet, flute, alto, soprano saxophone)



 Charlie Haden、“Liberation Music Orchestra” (1969)から14年振りのジャズオーケストラでの第二作、ECMレコードから。
 テーマは同じくスペインに加えて、当時の中南米の社会問題なども加わっているようです。
 前作よりもザラつきがなくなりスッキリした感じ、無きにしも非ずですが、ECMっぽいかといえばそうでもなく、前作の空気感を踏襲した激しくドラマチックなジャズ。
 勇壮さと哀しみが交錯する構成。
 ゆったりとした哀し気なテーマから始まり、スペイン、中南米の伝統曲、件のクラシカルで勇壮なマーチ、後々まで演奏され続ける名オリジナル曲、などなど。
 それら短いインタールドなども挿みつつ展開されるドラマチックな構成。
 こちらも前作同様、映画のサントラのようなイメージ。
 ピークは終盤、“Silence”でクールダウンした後に始まるCarla Bleyの美しくも沈痛なバラード”Too Late”、そして怒涛の クライマックス“La Pasionaria”でしょうか。
 さらに締めは、クラシカルな色合いの凱旋歌的なメロディと、件のマシンガンベースがうなるフリージャズの交錯。
 あの“Death and the Flower”(Oct.1974) Keith Jarrettを想わせる狂気と歓喜が交錯するようなエンディング。
 あの時代、あの交流を経たつわものたちの音。




posted by H.A.