“Three Crowns” (2019) Maciej Obara Quartet
Maciej Obara (alto saxophone)
Dominik Wania (piano) Ole Morten Vågan (double bass) Gard Nilssen (drums)
ポーランドのサックス奏者Maciej Obara、ECMでの第二作。
前作“Unloved” (2017)と同じメンバー、ピアニストはポーランド、ベースドラムはノルウェー勢、オーソドックスな編成のカルテット。
音の方も前作と同様、静かでクール、少々オードドックスにも寄ったコンテンポラリージャズ。
美しい音、物悲しいメロディ、強烈な浮遊感、冷たい空気感は、やはり名作“Fish Out of Water” (1989) Charles Lloydあたりを想い起こします。
冒頭はECMのお約束、前作も同様、ルバートでのスローバラード。
前作の冒頭と比べると、さらに静けさ儚さが増した音の流れ。
零れ落ちてくるような美しいピアノと、フリーに動くドラム、ベース、そしてキリッとしたサックス。
さらには、高速にシンシンと鳴るシンバルの中を漂うピアノ、突っ走るサックス。
中盤にフリー混じりの激しい場面もいくらか。
が、うるさくも沈痛でも陰鬱でもない、クールで清廉な印象。
リーダーもさることながら、全編通じてピアノトリオが素晴らしい演奏。
浮遊、タメ、疾走が交錯する美しいピアノと変幻自在のドラム、ベース。
いかにもECMな、美しく、儚く、そして微かな狂気を孕んだような音。
メンバーのリーダー作もそろろそ来るんじゃないかな?
メンバーのリーダー作もそろろそ来るんじゃないかな?
全体的にはフワフワした印象の前作に対して、リズム隊の自由度が上がり、少々キリッとした印象でしょうか。
1980年代90年代のECMのオーソドックスジャズ寄りの作品ってこんな感じだったなあ・・・ってな感じのアルバム。
懐かしいやら、かえって新しいやら、カッコいいやら。
posted by H.A.