“Restoration Ruin" (Mar.1968) Keith Jarrett

Keith Jarrett (vocals, guitar, harmonica, soprano saxophone, recorder, piano, organ, electric bass, drums, tambourine, sistra)
& string quartet



 Keith Jarrett、1968年のフォークアルバム、リーダー作第二弾。
 この期から特別だったピアノも封印し、ギターとボーカルを中心とした完全なフォークな演奏集。
 穏やかなメロディ、時代感たっぷりの演奏、力の抜けた?ボーカル。
 後の作品中にも楽曲、インプロビゼーションともにフォークな色合いがしばしば登場しますが、そのメロディにフォーカスした作品・・・であれば・・・なのですが、これがKeith Jarrettだとわかる人は少ないのでは?
 全く違うムード。
 もちろんいつものジャズでの深刻なムードや耽美な空気感、アバンギャルドな音もありません。
 あくまで穏やか、ほのかなセンチメンタリズム、Saudadeな空気感。
 キャッチーでいいメロディが揃っているので、フォーク畑でもジャズ畑でも、自身でもいいから、誰かがカバーすれば、本作も名作扱いになったかも?
 過激な演奏の中にときおり現れるリリカルでフォークな感じ、実は頭の中ではこんな感じの音も流れていたのかあ、と思うと納得の一作。




posted by H.A.