“Tokyo '96” (Mar.1996) Keith Jarrett
Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)
Keith Jarrett Standars、1996年、東京でのステージ。
Standarsとしては“At the Blue Note” (Jun.1994)に続くアルバム、凄まじいソロ作品“La Scala” (Feb.1995)の一年後。
後にソロ演奏での“A Multitude of Angels” (Oct.1996)が発表されていますが、療養前最後のトリオでの公式アルバム。
この期の軽快にスイングするStandarsですが、なぜか諸作よりもスッキリした印象。
選曲なのか、この日の調子なのか、録音の具合なのか、よくわかりませんが、粘性が低くサラサラと流れていくような印象の音の動き。
他のアルバムで聞いた楽曲もなぜかスッキリ、あの“Billie's Bounce”までが爽やかに響きます。
薄味といえばそうなのですが、それが居並ぶアルバムの中で希少だったり、身体にもよさそうだったりします。
ハイライト、お約束の楽曲変化(へんげ)は、”Autumn Leaves”で来ると思わせつつ、次の “Last Night When We Were Young / Caribbean Sky”で意表を突く動から動へ、陽から陽への新しい?パターン。
ラテン調ながら、これまたなぜかスッキリ爽やか。
そして締めの“My Funny Valentine / Song”も静かで短い楽曲変化(へんげ)。
激しく疾走する"Still Live" (Jul.1986)のバージョンとは全く違う印象、とても繊細、穏やかで前向きなエンディング。
とても上品で素敵なステージでした。
※別のステージから。
posted by H.A.