“Tokyo '96” (Mar.1996) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

Tokyo 96
Keith Trio Jarrett
Ecm Records
2000-01-25


 Keith Jarrett Standars、1996年、東京でのステージ。
 Standarsとしては“At the Blue Note” (Jun.1994)に続くアルバム、凄まじいソロ作品“La Scala” (Feb.1995)の一年後。
 後にソロ演奏での“A Multitude of Angels” (Oct.1996)が発表されていますが、療養前最後のトリオでの公式アルバム。
 この期の軽快にスイングするStandarsですが、なぜか諸作よりもスッキリした印象。
 選曲なのか、この日の調子なのか、録音の具合なのか、よくわかりませんが、粘性が低くサラサラと流れていくような印象の音の動き。
 他のアルバムで聞いた楽曲もなぜかスッキリ、あの“Billie's Bounce”までが爽やかに響きます。
 薄味といえばそうなのですが、それが居並ぶアルバムの中で希少だったり、身体にもよさそうだったりします。
 ハイライト、お約束の楽曲変化(へんげ)は、”Autumn Leaves”で来ると思わせつつ、次の “Last Night When We Were Young / Caribbean Sky”で意表を突く動から動へ、陽から陽への新しい?パターン。
 ラテン調ながら、これまたなぜかスッキリ爽やか。
 そして締めの“My Funny Valentine / Song”も静かで短い楽曲変化(へんげ)。
 激しく疾走する"Still Live" (Jul.1986)のバージョンとは全く違う印象、とても繊細、穏やかで前向きなエンディング。
 とても上品で素敵なステージでした。

※別のステージから。


posted by H.A.