“At the Deer Head Inn” (Sep.1992) Keith Jarrett
Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)
Keith Jarrett、1992年、ライブハウスでのステージ。
ドラムにPaul Motianを迎えたトリオ。
ついアメリカンカルテットの空気感や楽曲、あるいは当時のPaul Motianトリオな感じも期待してしまうのですが、Standardsと同様、キッチリとしたジャズスタンダードの演奏集。
変幻自在、不思議感たっぷりのはずのPaul Motian、このバンドでは予想外のアクセントも、パタパタとしたスネアも、バシャーンなシンバルも、明後日の方向への動きも抑制し、なぜか上品なジャズドラム。
心なしかベースも抑制気味かもしれません。
もちろん、ピアノはいつもと変わらず切れ味抜群。
が、丸かったピアノの音が鋭くなったように、ベースの音も同じくシャープな感じがするのは、デジタル録音への移行期の所以でしょうか?
さておき、ジャケットの写真のように暗く妖しげな感じではなくて、明るく洒脱なムード。
軽快に進むジャズの中、“You don’t know what love is?”のアウトロでお約束の楽曲変化(へんげ)、あのファンクビートとゴスペルチックな展開も。
全部合わせて、ニューヨークの高級ジャズクラブから聞こえてきそうな、オーソドックスながら極上のピアノトリオジャズ。
普通のモダンジャズファンの人からすると、膨大なKeith Jarrett諸作の中でも一番とっつき易いアルバムだったりして。
さてどうでしょう?
※別のステージから。
posted by H.A.