“Bye Bye Blackbird” (Oct.1991) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)



 Keith Jarrett Standars、1991年、逝去したMiles Davis追悼アルバム。
 Keith Jarrett, Jack DeJohnette, Miles Davisとくれば、“Miles Davis At Fillmore” (Jun.1970), “Live Evil” (Feb.Jun.1970)あたりのド激しい系フリー混じりジャズファンクなども期待してしまうのですが、なかなかそうはいきません。
 “Tribute”(Oct.15.1989)あたり以降の明るく軽快にスイングするジャズピアノトリオ。
 バラード演奏ではタップリのタメを効かせつつ哀しみに浸る追悼ムードが漂い、ゴスペルチックな展開もあります。
 哀しみからほのかな高揚感へと変化していく“You won’t forget me”はさりげない名演。
 長尺なフリーインプロビゼーションも、お祭りムードに移行していく展開ではなく、終始ダーク。
 が、沈痛に陥るわけではなく、むしろ淡々と流れていく演奏。
 クールだった大親分の元子分としてのクールな演奏。
 どうせやるならもっと新しいこと、凄いやつをやれ、なんて大親分の声が天国から聞こえてきそうな軽快なジャズが中心。
 が、涙ちょちょ切れな感じよりも、こんな感じの追悼の方がMiles大親分、そしてこのお三方には似合っているのかも。
 軽さ含めてクールでハードボイルドなBye Bye Blackbird、Bye Bye。




posted by H.A.