“Standards in Norway” (Oct.7.1989) Keith Jarrett
Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)
Keith Jarrett Standars、1989年、ノルウェーでのステージ、発表は少し間を空けた1995年。
トリオでは凄まじい"Still Live" (Jul.1986)、インプロビゼーション集 “Changeless”(Oct.1987)、ソロではクラシカルな色合いが強くなった”Paris Concert” (Oct.1988)を経た時期。
ステージは平和な感じの“All Of You”から始まります。
もちろん切れ味抜群の素晴らしい演奏。
が、 “Standards, Vol. 1” (Jan.1983)の冷たい緊迫感、沈んだ空気感が徐々に薄くなってきたようにも感じます。
あるいは、タメた上で突っ走る”官能的”なロングフレーズの場面が少なくなり、断続的にジャズなフレーズが続いていく感じ。
その分ジャズ的な躍動感が強くなり、オーソドックスなジャズピアノトリオに近くなっているのかもしれません。
意図的に変えようとしていたのかもしれませんし、年月を経たバンドが成熟し洗練された結果なのかもしれません。
もちろん数秒だけでそれとわかる特別な音、普通のモダンジャズにはない繊細さはそのまま、本作ぐらいまでは湿度も少し高めでしょう。
温度と明度が上がった分、とっつき易くなったと言えばその通り。
それにしてもいい感じのリバーブの掛かった丸い音、そして透明度の高い音が美しい。
ECM制作でなかったら、また違ったイメージになっていたのでしょうねえ。
※別のステージから。
posted by H.A.