“The Mourning of a Star" (Jul.Aug.1971) Keith Jarrett

KKeith Jarrett (Piano, Tenor, Soprano Saxophone, Steel Drums)
Charlie Haden (Bass, Steel Drums) Paul Motian (Drums, Steel Drums)

流星<SHM-CD>
キース・ジャレット
ワーナーミュージック・ジャパン
2017-06-21


 Keith Jarrett、摩訶不思議なトリオ作品。
 続くアメリカンカルテット事始めの“Birth" (Jul.1971)、“El Juicio (The Judgement)" (Jul.1971)と同時期のセッションと目されますが、世に出たのは一番不思議な本作が最初のようです。
 Ornette Coleman的フリー混じりのジャズからスタート。
 ピアノトリオに加えて、スチールパンの激しい音も加わるぶっ飛んだ演奏。
 短く美しいピアノソロをインタールードとして、続くメロディアスで美しいフォークロックは盛り上るか、と思いきや、あれれ?なフェイドアウト。
 さらに”Mysteries” (Dec.1975)で再演される名曲”Everything That Lives Laments”の不思議なほどコンパクトな演奏。
 笛と鐘のインタールードの後は、徐々にスピードが上がっていくビート感、気がつけばフリーへと突入していく激しいトリオ演奏。
 LPレコードB面はフォーキーなジャズロックから。
 爽やかな演奏ですが、なぜかこれまた唐突に終わります。
 続いて自身がサックスを吹くOrnette Coleman的トリオときて、タイトル曲ではフォーキーなジャズロックからゴスペルチックなリフレインへと遷移していく後々までの王道パターンが初?登場。
 美しくてドラマチックなカッコいい演奏。
 が、締めの美しいピアノで始まるバラードは、ベースソロで徐々にズレていくような雰囲気からピアノが正調に戻して、唐突に幕であれれ?
 最初から最後まで何かがズレている感じ、不思議感たっぷり。
 時に激しく、時に美しく、時に妙なジャズ。
 ぶっ飛んでいてカッコいいといえばその通り。




posted by H.A.