“Roots In The Sky” (1979) Oregon

Ralph Towner (Guitar, Piano, Flugelhorn) Glen Moore (Bass) Collin Walcott (Percussion, Guitar) Paul McCandless (Clarinet, Oboe, Horn)



 無国籍フュージョンバンドOregonの1979年作、Elektraレーベルから。
 冒頭から疾走するOregon。
 タブラとギター、ベースが作るハイテンションな音を背景にして突っ走るクラシカルな木管。
 続くは美しいピアノと木管の絡み合い、さらにはエスニックで幻想的な木管、パーカッションの絡み合い、ピアノの疾走、妖しいシタールの響き・・・
 ショーケースのような演奏集。
 いずれの楽曲もドラマチックな構成。
 一曲の中でさまざまに変化しながら強烈なグルーヴを伴いながらの疾走へ。
 いわゆるキャッチーなメロディがないのもこのバンドの色合いなのだと思いますが、この曲は何かな?と思っているうちにあれよあれよと展開し、気がつけばハイテンションでカッコいい局面へ突入しているいつものパターン。
 前作“Out of the Woods” (1978)と同じく、先のVanguard諸作と比べると、勢い、妖しさが抑えられ、よりスムースに、スッキリしたようにも聞こえます。
 また、後のECMのOregon諸作と比べると、音の明度が高く、展開が明解。
 そのあたりも時代の狭間、1970年代から1980年代への過渡期。
 ハイテンションなVanguard諸作、スムースなElektra諸作、より淡く幻想的なECM諸作、といったところでしょうか。
 どの色合いがいいかはお好み次第。




posted by H.A.