"Distant Hills" (1973) Oregon

Ralph Towner (Guitar, Mellophone, Piano, Trumpet) Glen Moore (Bass Flute Piano Violin) Collin Walcott (Sitar, Tabla, Tambura, Clarinet, Drums, Guitar) Paul McCandless (Oboe, English Horn)

Distant Hills
Oregon
Vanguard Records
1990-10-25


 無国籍フュージョンバンドOregon、1973年作。
 "Music of Another Present Era" (1972)に続くアルバム、ECMでのRalph Townerは”Trios / Solos” (1972)を経て、”Diary” (Apl.1973), “Matchbook” (Jul.1974), ”Solstice” (Dec.1974)あたり。
 Collin Walcottの”Cloud Dance” (Mar.1975)も近い時期。
 そんなECM的な空気に影響されたかどうか、あるいは時代感なのか、一部で気難しさや沈痛な感じももちらほら、タイトル曲はECMの”Solstice/Sound and Shadows” (Feb.1977)で再演される幻想的な響き。
 Ralph Townerの曲を中心に、フリーインプロビゼーションと思しき演奏が数曲。
 冒頭は牧歌的で前向きな空気感の中、クラシカルな木管が疾走する、明るいサイドのOregon。
 ジャケットの雰囲気を含めて本作はそんな感じと思いきや、さにあらず、続くはシタールとギターの妖しい絡み合い、さらにフリーなインプロビゼーション。
 アコースティックギターと木管が漂うタイトル曲などを経て、ハイテンションな疾走、ベースとギターとのDuo、締めは再びフリーインプロビゼーションで不安と混沌のまま幕。
 牧歌的な音、クラシカルな音、ジャズな音、エスニックな音、そしてフリーな音が混ざり合う典型的なOregonサウンドではありますが、本作は妖しさ、フリーさが強なバージョンでしょうか。
 そんな1970年代のOregonサウンド。




posted by H.A.