“The Wind” (2004) Kayhan Kalhor, Erdal Erzincan

Kayhan Kalhor (Kemenche) Erdal Erzincan (Baglama)
Ulaş Özdemir (Baglama)

Wind
Kayhan Kalhor
Ecm Records
2006-09-19


 イランのカマンチェ奏者Kayhan Kalhorとクルドのバーラマ奏者Erdal Erzincanの双頭リーダー作。
 カマンチェはバイオリン、バーラマは琵琶の原型あるいは変形の中近東の伝統楽器のようです。
 Kayhan Kalhor は“The Rain” (2001) Ghazalなど、ECMで時々見かける人、その中近東伝統音楽路線。
 例の中近東系音楽のもの哀しいメロディとゆったりとしたビート、終始流れるやるせないムード。
 あるいはいわゆる“悠久”な空気感。
 弦が弾かれる音と擦られる音の絡み合い。
 聞き慣れない響きはプリミティヴなようでもあるし、敬虔なようでもあるし。
 打楽器、声の無いシンプルな編成ゆえの淡々とした音の流れは、形を変えながらゆったりと進んでゆきます。
 一定のパルスを感じさせつつも不規則に停止を繰り返すビート、ときおり激情を託されたような加速を伴う強い音を交えた動きは、寄せては返す波のよう。
 いつ果てるとも知れない音は終盤に向けて徐々にテンションとスピードを上げ、高まる高揚感、最後に訪れる陶酔。
 そして全てが終わった時に訪れる静寂の時間の深淵さ。
 強烈な非日常、静かな陶酔へと誘うトリップミュージック。




posted by H.A.