"Still Live" (Jul.1986) Keith Jarrett
Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)
Keith Jarrett Standars、1986年、"Standards Live" (Jul.1985)に続くライブ録音二作目、ECMレコードのお膝元ミュンヘンでのステージ。
”ど”スタンダードな楽曲が並んでいますが、言わずもがなの特別なジャズ。
冒頭“My Funny Valentine”、沈んだムードの強い緊張感、何が始まるか予想できないピアノのソロ演奏二分強、ようやく立ち上がってくるメロディと音を重ねるベースとドラム。
そこから始まるめくるめくインプロビゼーション。
ちりばめられた強烈なスピードで上昇下降するロングフレーズ。
美しい粒立ちで強烈に加速しながら綺麗に並べてられていくたっぷりの音符。
汲めども尽きぬ魔法のなんとか・・・
それでいて決してうるさくはならない絶妙なバランスとテンション、そして全編に流れる不思議な揺らぎ。
聞き飽きたはずのスタンダード曲が別のモノのように聞こえてきます。
後々まで続くお約束のドラマチックな楽曲変化(へんげ)も”The Song Is You”、“You And The Night And The Music / Extension”でたっぷり。
"Standards Live" (Jul.1985)を凌ぐ、テンション、キレ、アグレッシブさ。
さらに丸くて柔らかい、このステージのピアノの音・・・
全曲、凄まじいまでの名演。
が、“Standards, Vol. 1” (Jan.1983)のセッションと比べると明度と温度感が上がり、耽美、内省といった感じは薄くなってきたようにも思います。
が、“Standards, Vol. 1” (Jan.1983)のセッションと比べると明度と温度感が上がり、耽美、内省といった感じは薄くなってきたようにも思います。
ここまで、あるいは“Changeless” (Oct.1987)ぐらいまでは、モダンジャズっぽくない特別なStandards、が私見。
激しくて、それでいて繊細な特別なジャズ。
※別のステージから。
posted by H.A.