“Further Chaos” (2018) Gilad Hekselman
Gilad Hekselman (guitar)
gHex Trio : Rick Rosato (bass) Jonathan Pinson (drums) Dayna Stephens (EWI)
ZuperOctave : Aaron Parks (piano, keyboards) Kush Abadey (drums, pads)
ニューヨーク系コンテンポラリージャズのギタリストGilad Hekselman の新作。
前作“Ask for Chaos” (2018)と同時期のセッションから。
前作“Ask for Chaos” (2018)と同時期のセッションから。
同じく、先端系変則トリオZuperOctave+αとシンプルなギタートリオgHex Trioの二つのバンドの音源で構成されています。
冒頭はZuperOctave+α、ヘビーなビート、ディストーションが効いたギターとEWIが唸りまくる、超弩級ハイテンション・プログレッシブ・ジャズフュージョン。
これはこの人にしては・・・が、凄い演奏。
そこを抜けると軽快なビートと突っ走る艶々のクリーントーンのギターのいつもの世界。
gHex Trioに変わって、拍子抜けしてしまうような力が抜けたジャズワルツ。
が、静かに柔らかにギターが突っ走り始めると心地よさ最高のパラダイス。
続くは、シンセなベースとエレピ、たっぷりなエコーが未来感を醸し出しつつ、決めのメロディがセンチメンタル、静かなZuperOctave。
そしてgHex Trioでのフォーキーなバラード、さらに、あの超高速、超絶技巧の“Teen Town”(!)が、乾いたスネアの音に彩られ、クールで軽快な現代的な音に様変わり。
締めはZuperOctaveによる”Body & Soul”。
ミスマッチにしか思えない選曲ですが、これがカッコいい。
超スローテンポ、優雅なメロディとコードをしっかりと生かしつつ、どこかに消え入るような繊細なギターの音とエレピが醸し出す未来的超浮遊感。
とんがっているようで、実際にとんがっていて、それでいて柔らかな音。
そしてこの人の諸作と同様、さりげなくドラマチック。
新しさと伝統の狭間、かなり新しさ寄り。 が、頭でっかちさなし、聞き流しても心地よい音。
収録時間40分程、アウトテイク集なのか試作集なのか何なのか、実情はさておき、中身は“Ask for Chaos” (2018)と同じく、これまたカッコいい演奏集。
収録時間40分程、アウトテイク集なのか試作集なのか何なのか、実情はさておき、中身は“Ask for Chaos” (2018)と同じく、これまたカッコいい演奏集。
posted by H.A.