“A Wall Becomes A Bridge” (2018) Kendrick Scott Oracle
Kendrick Scott (Drums)
Michael Moreno (Guitar) Taylor Eigsti (Rhodes) Joe Sanders (Bass)
John Ellis (Tenor Saxophone) Jahi Lake (Turntabalist)
Kendrick Scottのアメリカンコンテンポラリージャズ。
前々作“Conviction” (2013), 前作“We Are The Drum” (2015)とコアのメンバーは変わらないバンドOracleでのアルバム。
ここまでのアルバムと同じ線ですが、少しジャズな感じ、ポップさが抑えられ、不思議感が増した感じ、より未来的になった感じ。
複雑に動きながらも柔らかなビート、飛び交う電子音、ループ。
派手な先端ドラム、美しいギター、浮遊から疾走まで何でも来いのピアノ。
未来的フュージョン、ジャズ、ロック、ソウル、ヒップホップ、ミニマル、その他諸々が混ざり合う音は、いかにも今の音。
洗練された現代ジャズ~フュージョン。
複雑に積み上げられ、徹底的に練り上げられた感じながら、作り物っぽさのない自然さは、独特の柔らかさゆえでしょうか。
今風でクール感じのサックスを中心に各人のインプロビゼーションのスペースはたっぷり、それらが全体のアンサンブルの中に溶け込み、これまたさりげない感じながら手練れた演奏。
不思議感たっぷりのメロディはここまでと同様、Wayne Shorterな感じ、さらに、複雑でドラマチックな構成は、実験的、先端的な要素も相当に組み込まれつつも、気難しさはなく、十分にポップです。
ドラムは派手ですが、終始フワフワした心地よさも加えて、BGMとしてもとてもいい感じ。
21世紀、2010年代終りの粋。
もし今Milesさんがご存命であればこんな感じの音楽をやっているのかな?
さて?
posted by H.A.