“A Wall Becomes A Bridge” (2018) Kendrick Scott Oracle

Kendrick Scott (Drums)
Michael Moreno (Guitar) Taylor Eigsti (Rhodes) Joe Sanders (Bass)
John Ellis (Tenor Saxophone) Jahi Lake (Turntabalist)

A Wall Becomes A Bridge
Kendrick Scott Oracle
Blue Note
2019-04-05


 Kendrick Scottのアメリカンコンテンポラリージャズ。
 前々作“Conviction” (2013), 前作“We Are The Drum” (2015)とコアのメンバーは変わらないバンドOracleでのアルバム。
 ここまでのアルバムと同じ線ですが、少しジャズな感じ、ポップさが抑えられ、不思議感が増した感じ、より未来的になった感じ。
 複雑に動きながらも柔らかなビート、飛び交う電子音、ループ。
 派手な先端ドラム、美しいギター、浮遊から疾走まで何でも来いのピアノ。
 未来的フュージョン、ジャズ、ロック、ソウル、ヒップホップ、ミニマル、その他諸々が混ざり合う音は、いかにも今の音。
 洗練された現代ジャズ~フュージョン。
 複雑に積み上げられ、徹底的に練り上げられた感じながら、作り物っぽさのない自然さは、独特の柔らかさゆえでしょうか。
 今風でクール感じのサックスを中心に各人のインプロビゼーションのスペースはたっぷり、それらが全体のアンサンブルの中に溶け込み、これまたさりげない感じながら手練れた演奏。
 不思議感たっぷりのメロディはここまでと同様、Wayne Shorterな感じ、さらに、複雑でドラマチックな構成は、実験的、先端的な要素も相当に組み込まれつつも、気難しさはなく、十分にポップです。
 ドラムは派手ですが、終始フワフワした心地よさも加えて、BGMとしてもとてもいい感じ。
 21世紀、2010年代終りの粋。
 もし今Milesさんがご存命であればこんな感じの音楽をやっているのかな?
 さて?




posted by H.A.