“Dark to Themselves” (1976) Cecil Taylor

Cecil Taylor (piano)
Jimmy Lyons (alto saxophone) Raphe Malik (trumpet) David S. Ware (tenor saxophone) Marc Edwards (drums)

ダーク・トゥ・ゼムセルヴズ
セシル・テイラー
SOLID/ENJA
2014-07-16


 Cecil Taylor、1976年、ベースレスの三管クインテット、ユーゴスラビアでのライブ録音。
 一時間を超える全一曲、フリージャズ。
 “Unit Structures” (May.1966)、“Conquistador!” (Oct.1966)あたりと同様、テーマを合奏し、ソロのオーダーをキッチリと決めたうえでの激烈系。
 テーマは三管のアンサンブル、少しずつズレながら揺ぐダークなメロディ。
 ソロの第一走者はトランペット。
 続くこと十数分。
 ぶっ飛びつつも端正にも聞こえるインプロビゼーションの後ろで走り回り転げ廻るピアノとドラム。
 続くのはテナーサックス。
 クダを巻くような音使いと絶叫を交えたColtrane系の超激情系。
 再びテーマらしきアンサンブルでブレークすると、次はアルトサックス、これまた怒涛。
 そして締めはピアノのターン、真打ち登場。
 独奏から始まり、ドラムが加わると疾風怒濤、獅子奮迅、傍若無人な凄まじいまでのピアノ。
 不協和音とかスケールアウトとかメロディは?とか、もうそんなことはどうでもよくなってしまう激烈な連打、痛打。
 続くこと十数分、ようやくアンサンブルに戻って静かに幕。
 ピアノはずーっと、ずぅーっと一時間、休む間なしの全力疾走。
 それも一定のフォーム、規律を保ったままの激走、爆発。
 もはや神業。
 脳みその中をひっかき回されているような、口の中に手ぇー突っ込まれて奥歯ガタガタいわされているような、そんな快感・・・
 ・・・に感じられるようになれば、あるいは、この畏ろしいまでのエネルギー放射をガッツリ受け止めることができるようになれば、立派な大人になれるのでしょう。
 たぶん。
 ともあれ、あの頃のMilesさんColtraneさんもビックリ、上掲の二作を凌ぐ超弩級エネルギー放出型フリージャズ。
 これは凄い。




posted by H.A.