“Many More Days” (2014) Third Reel

Nicolas Masson (Tenor, Soprano Saxophone, Clarinet) Roberto Pianca   (Guitar) Emanuele Maniscalco (Drums, Piano)

Many More Days
Third Reel
Imports
2015-06-02


 スイスのサックス奏者Nicolas Massonを中心としたヨーロピアンの変則トリオ、ECMでの第二作。
 前作“Third Reel” (2012)のタイトルをバンド名としたようです。
 本作も静かで妖しい迷宮サウンド。
 ベースレスゆえの浮遊感、静かに高速な刻まれるビートと、ゆったりと漂うようなテナーサックス、ギター。
 前作と同様、そんな場面が印象に残りますが、前作よりも沈痛度、陰鬱度が下がり、終始穏やか、どこか懐かしい感じが漂います。
 ときおりの電子音、ピアノを訥々と奏でられる場面も何曲か、含めて少しカラフルになっているかもしれません。
 淡く抽象的な、あるいは不安感を煽るような、はたまた明後日の方向から聞こえてくるような不思議感たっぷりのメロディたち。
 計算尽くのアンサンブルなのだと思いますが、どう動いていくのかは予測不可能。
 とても穏やかなのですが、緊張感の塊。
 短く刻まれる演奏ともに、周囲の景色は次々と変わっていきます。
 さらに中盤から終盤にかけて、徐々にボリュームとテンションを上がってくるドラマチックな展開。
 それでも静謐な空気感は変わりません。
 通して聞くと、周囲の雰囲気、あるいは気持ちが一変してしまうような非日常感。
 さながら白日夢。
 これまたトリップミュージック。
 本作は沈痛でも深刻でも陰鬱でもなく、とても穏やかです。




posted by H.A.