”Something Special”  (1993) Jim Hall

Jim Hall (Guitar)
Larry Goldings (Piano) Steve LaSpina (Bass) 

Something Special by Jim Hall
Jim Hall
Music Masters Jazz


 ドラムレスのトリオでのアルバム。
 初期の“Jazz Guitar” (1957)を今一度、というわけではなく、ときおりアグレッシブな演奏を交えつつの現代的なジャズ。
 ギターは“Circles” (1981)などのConcord緒作とは違って、少しだけ固めの音。
 好みはさておき、こちらの方がハードボイルド感が増して、よりジャズな感じでしょうかね。
 ピアノはきらびやかな疾走系、ベースは動きまくる系。
 楽曲はメンバーのオリジナル曲が中心。
 オーソドックスな感じあり、ひねった感じあり、ポップな感じあり、アグレッシブ系あり、多様な表ながら多くが明るい印象の演奏。
 普通といえば普通、でも各人の名人芸が映えるには、このくらいがちょうどいい感じのキリッとしたジャズ。
 ドラムレスゆえ、静かで穏やか、個々の楽器が明確に見え、手に取れるような音。
 透明な空間の中に響く残響音がとても心地いい。
 シルキーでスムースな音は、全身の力が抜けていくようなリラックス感たっぷりでもあるし、柔らかくながら気合の入ったジャズでもあるし。
 “Circles” (1981)と同じぐらいいいのではないかな。
 なお、とても洒落たジャケット。
 中身もとてもいい感じ、さりげない名作。




posted by H.A.