“Circles” (1981) Jim Hall

Jim Hall (Guitar)
Don Thompson (Piano, Bass) Rufus Reid (Bass) Terry Clarke (Drums)

Circles
Jim Hall
Concord Records
1992-12-15


 Jim Hall、1980年代のジャズ、ギタートリオ+α、Concordレーベルから。
 ジャズスタンダードとオリジナル曲がいくつか。
 フュージョン臭はあまり感じられない、あくまでジャズ。
 この時期までくると、時代を感じさせない現代的な美しい音。
 艶やかで上品な音ながらはち切れそうなクリーントーンのエレキギター。
 他の楽器を含めて、いかにもConcordなクリアできらびやかな音で録音されています。
 あのどこか遠い所に消え入るような儚く繊細な音の動きが、優雅な衣をまとったよう。
 絶品のジャズバラード。
 ”Love Letters”、”I Can't Get Started”といった普通に美しいメロディが、今まで聞いたことの無いような美しい姿。
 何のことはないブルースも、疾走ピアノとのDuo、トリオで演じられる哀愁曲もこれまた絶品。
 何度も再演されるオリジナル曲“Down from Antigua”は、不思議系ながら素朴な香りが漂う南米風。
 Pat Methenyを想起する演奏なのですが、時代は”As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls” (Sep.1980)、 ”Offramp” (Oct.1981)の頃。
 さてどんな関係なのでしょう?
 美しく疾走するピアノ、強い牽引力のベース、繊細なドラム、メンバー全員が素晴らしい演奏。
 全部含めて、極めて美しい1980年代ジャズ。
 30年以上前の作品ではありますが、現代ジャズ、現代ジャズギターの代表作に入っていいと思うのだけどなあ。




posted by H.A.