“Natural Causes” (2010) Steve Tibbetts

Steve Tibbetts (Guitars, Piano, Kalimba, Bouzouki)
Marc Anderson (Percussion, Steel Drums, Gong)

Natural Causes
Steve Tibbetts
Ecm Records
2010-06-15


 Steve Tibbetts、2010年作。
 ゲストの参加はなく、““Northern Song” (1982)のDuoでの制作。
 “The Fall of Us All” (1994)や“A Man About a Horse” (2002)のような激しさはなく、“Northern Song” (1982)に回帰したような静かで落ち着いた音。
 強く揺らぐ空間。
 幾重にもオーバーダビングされたカラフルな音、ギターに加えてシタールな感じのブズーキ、カリンバ、スチールドラムなどなど、さまざまな音が柔らかに交錯する強烈な浮遊感。
 哀しげにも安らかにも聞こえる、優しい音の流れ、曖昧で淡いメロディ。
 それらを含めて、全体を包み込む淡い色合いの景色は、グラデ―ションを描きながら次々と変わっていきます。
 インドなのかチベットなのかインドネシアなのか、どこかよくわからないアジアらしい、かといってエスニックが前面に出た感じでもない、微妙な微妙な空気感。
 文字通りのフュージョンミュージック。
 いかにもECMな上品なリバーブに包まれ、夢現が混然としたような音の流れが続きます。
 とても静かで懐かしい、それでいて洗練された、心地よい時間。
 再びとても静かな世界、極上のトリップミュージック。

※遠くない時期の読経?入りセッションから。


posted by H.A.