“Big Map Idea” (1989) Steve Tibbetts

Steve Tibbetts (Guitar, Kalimba, Dobro, Pianolin, Tape)
Marc Anderson (Congas, Steel Drums, Percussion, Berimbau) Michelle Kinney (Cello) Marcus Wise (Tabla)

Big Map Idea
Steve Tibbetts
Ecm Import
2001-05-08


 Steve Tibbetts、静かなギターミュージック。
 パーカッションに加えて、スチールパン、チェロ、タブラなどが彩りを加える編成。
 “Northern Song” (1982)と同じ線ですが、電子的な音は抑えられ、多彩な生楽器の絡み合いが中心。
 抑制された淡々としたビート、強い揺らぎと浮遊感の時間。
 タブラやコンガがビートを作り、スチールパン、カリンバ、ビリンボウといったエスニックな音があちらこちらから聞こえてきます。
 が、それらの楽器の国籍の色合いは強くはありません。
 静かなビートとアコースティックギターが先導する、あくまで無国籍なフュージョンサウンド。
 不思議感120%ですが、キャッチーとまではいかないまでも、アメリカンなポピュラーミュージックを経たのであろう、わかりやすい楽曲。
 いつあの超弩級激烈型に転移するのか身構えていても、幸か不幸か、その場面は来ません。
 靄が掛かったような空間の中で、わかりやすい音の流れが明確に見えたり隠れたりしつつ、淡い時間が流れていきます。
 そこはかとない哀愁に包まれつつも、暗くはない、難解でも深刻でもありません。 “Northern Song” (1982)よりも湿度感は少し高め、
 これまた、どこかよくわからない心地よい場所へのトリップミュージック。

※音のイメージは少し違いますが。


posted by H.A.