“Cartola” (1974)、“Cartola” (1976) Cartola
Cartola (Vocals)
Horondino José da Silva, Meira (Guitar) Canhoto (Cavaquinho) Jorginho (Pandeiro) Elton Medeiros (Percussion) Nelsinho (Trombone) and others
サンバ界の重鎮Cartolaの1974、1976年作。
世はロックの時代、Milton Nascimentoに代表されるような新世代MPBが席巻していた時期なのでしょう。
が、本作、そんなことはお構いなしのネイティブなアコースティックサンバ。
にも拘わらず、今の耳でも古さを感じない名曲群、名演群。
エレピもエレキベースもエレキギターはもちろん、ピアノすらも聞こえてこない編成。
ギターとカバキーニョ、その他の弦楽器とパーカッション、若干の管の彩り。
決して派手ではない、穏やかなサンバ。
一拍三拍のバスドラム(的な音)が鳴り続け、かき鳴らされる弦楽器の中、いいタイミングで聞こえてくるクィーカーが気持ちいいいなあ。
そんな賑やかなようで抑制された音を背景に、サラサラと流れていくようなさりげない歌。
これはカッコいい。
オリジナル曲はこれまたとてもさりげない感じですが、LPレコード二枚分、全て名曲。
全編明るくて、でもどこか哀愁が漂うメロディがこれでもかこれでもかと続きます。
どこを切っても金太郎飴なのですが、これが全く飽きません。
こんな感じが正調Saudadeなんでしょうかね?
それとも当時は相当モダンだったのかな?
とにもかくにも、カッコいい。
posted by H.A.