“Guamba” (1987) Gary Peacock

Gary Peacock (bass)
Peter Erskine (drums) Jan Garbarek (tenor, soprano sax) Palle Mikkelborg (trumpet, flugelhorn)

Guamba -Reissue/Digi-
Gary Peacock
Ecm
2019-05-17


 Gary Peacockの1987年作。
  先の“Voice from the Past – Paradigm” (1981)と同様の編成のピアノレス二管カルテットですが、Jan Garbarekを残してメンバーを変更。
 素直なドラムにスッキリ系のトランペット、全体のサウンドも焼けた金属片が混ざるようなオイル臭さが抜けた感じでしょうか。
 軽快なドラムにクールでスタイリッシュなトランペット、やはりドロドロなサックス。
 もちろん全体を支配するのは、あの男臭いベースの音の動きと哀し気なメロディ。
 交錯する疾走と浮遊、ときおり表出する狂気。
 やはり前作と同様、ハードボイルドでやるせないGary Peacockワールド。
 前作はジャケットも夜なイメージでしたが、本作は不穏な雲に覆われた昼のポートレート、そのままの音。
 闇をベースとした陰影の前作に対して、薄暗い日中のような陰影の本作。
 いずれも気難しいのですが、ECMのアートを感じるには、とてもいい感じのバランスの二作のようにも思います。

※別のアルバムから。


posted by H.A.