“Lost River” (2018) Michele Rabbia
Michele Rabbia (drums, electronics)
Eivind Aarset (guitar, electronics) Gianluca Petrella (trombone, sounds)
おそらくフリー系、ECMでは“Re: Pasolini” (2005) Stefano Battagliaなどへ参加していた人。
Enrico Ravaとの共演が多いイタリアントロンボーン奏者と、ノルウェーのアンビエント~先端系ギターの変則トリオ。
静かでスタイリッシュなアンビエント系ミュージック。
どこまでが電子音で、どこからが人が出しているのか曖昧なビート。
抑制された電子音が奏でる哀し気なコードの移り変わり、あるいはシンプルなリフの繰り返しの中を、静かに舞うシンバル、乾いた革の擦過音、鐘の音、ギターのシングルトーン、コード、遠くから響いてくるような、あるいはときおり前面に出てジャズを奏でるトロンボーン。
電子音と生楽器、各々の楽器の音の境界が曖昧になり、浮遊、疾走、混沌、静謐、覚醒・・・グラデーションを描きながら次々と変わっていく景色。
予想できない展開ながら、難解、意味不明ではなく、メロディアスでセンチメンタルな音の動き。
終始流れているのは、どこか遠くを眺めるような柔らかな哀感。
終始流れているのは、どこか遠くを眺めるような柔らかな哀感。
ビートと旋律、夢と現実、過去と未来、人間と機械・・・、それらの境界が曖昧になった、それでいて調整が取れた摩訶不思議な時間。
とてもクールでセンチメンタル。
posted by H.A.