“Amanhã vai ser verão” (2018) Rosa Passos

Rosa Passos (voice, guitar)
Lula Galvao (guitar) Fabio Torres, Helio Alves (piano) Paulo Paulelli, Jorge Helder (bass) Calso de Almeida (drums) Livia Mattos (accordion) Ivan Sacerdote (clarinette) Ze Luiz Mazziotti (voice)



 現代最高の女性ボサノバボーカリストRosa Passos、久々のアルバム。
 ピアノトリオと長年の相方のエレキギターを中心に、少々の彩りが加わる編成。
 シンプルでジャジーなサウンドは前作に当たるライブ録音“ao vivo” (2014)と同様。
 要所で聞こえるアコーディオンがフォルクローレな感じを醸し出すのが、ここまでの諸作とは少し違った感じでしょうか。
 全編通じてゆったりまったり。
 ジャジーなエレキギターの綺麗なクリーントーンがたっぷりフィーチャーされるジャズコンボを中心に、弾き語りを含めて、ほんの少し遅れ気味に刻まれる、Rosaさん自らのとてもカッコいいガットギターも終盤に数曲。
 もちろん主役は、今にも泣きだしそうにも微笑んでいるようにも聞こえる、何とも言えない絶妙なニュアンスの力の抜けたヴォイス。
 本作ではカバー曲はなく、全編オリジナル。
 これまた、泣きだしそうにも微笑んでいるようにも聞こえる、何とも言えない絶妙なニュアンス、おまけにいずれもキャッチーなメロディ。
 オリジナル曲中心のアルバムは“Morada do Samba”(1999)以来でしょうか?
 名曲のカバーもいいのですが、やはりこれが一番。
 優しくて穏やかで、どこか懐かしくて、ほんの少し悲し気な、Nothing but Saudadeな空気の流れ。
 ゆったりまったり、これまたパラダイス。





posted by H.A.