“Como & Porque” (1969) Elis Regina
Elis Regina (vocal)
Antonio Adolfo (Piano) Roberto Menescal (Guitar) Wilson Das Neves (Drums) Hermes Contesini (Percussion) and others, Orchestra
Elis Reginaの1969年作。
ジャジーでファンクなブラジリアンポップス。
ジャズサンババンドにホーン陣、オーケストラがサポートするこの期のオーソドックスな編成。
名曲“Aquarela Do Brasil”から始まり、Egberto Gismonti, Milton Nascimentoなど新感覚の人たちの楽曲、はたまたMichel Legrandまでを取り入れた構成。
浮遊、疾走、幻想、激情、哀愁・・・、さまざまな表情を見せるヴォイスとそれに寄り添うバンド。
普通のボサノバやサンバとは違う弾むビート、ファンクなグルーヴ、畳みかけるようなブレークとキメがカッコいい。
激しく動き回るベースが醸し出す焦燥感のようなものもこの頃から。
それが極限にまでに高まった“Elis Regina in London” (1969)と同時期の制作ですが、まだまだ落ち着いていて、違う質感の本作。
そこに向けた助走とみるか、違う世界にぶっ飛ぶ前の完成された音と見るか。
この人の作品、どれも名作ですが、楽曲の良さ、当時のレギュラーなのであろうバンドの完成された一体感も含めて、頭一つ抜けた名作の一つだと思います。
本作でまずはElisさん流ジャジーな1960年代ブラジリアンポップスを極めた感じ。
次の極めつけ、ハイテンション・ブラジリアン・ファンク“Elis Regina in London” (1969)へと続きます。
posted by H.A.