“Como & Porque” (1969) Elis Regina

Elis Regina (vocal)
Antonio Adolfo (Piano) Roberto Menescal (Guitar) Wilson Das Neves (Drums) Hermes Contesini (Percussion) and others, Orchestra

Como E Porque
Elis Regina
Universal Brazil
1994-12-01


 Elis Reginaの1969年作。
 ジャジーでファンクなブラジリアンポップス。
 ジャズサンババンドにホーン陣、オーケストラがサポートするこの期のオーソドックスな編成。
 名曲“Aquarela Do Brasil”から始まり、Egberto Gismonti, Milton Nascimentoなど新感覚の人たちの楽曲、はたまたMichel Legrandまでを取り入れた構成。
 浮遊、疾走、幻想、激情、哀愁・・・、さまざまな表情を見せるヴォイスとそれに寄り添うバンド。
 普通のボサノバやサンバとは違う弾むビート、ファンクなグルーヴ、畳みかけるようなブレークとキメがカッコいい。
 激しく動き回るベースが醸し出す焦燥感のようなものもこの頃から。
 それが極限にまでに高まった“Elis Regina in London” (1969)と同時期の制作ですが、まだまだ落ち着いていて、違う質感の本作。
 そこに向けた助走とみるか、違う世界にぶっ飛ぶ前の完成された音と見るか。
 この人の作品、どれも名作ですが、楽曲の良さ、当時のレギュラーなのであろうバンドの完成された一体感も含めて、頭一つ抜けた名作の一つだと思います。
 本作でまずはElisさん流ジャジーな1960年代ブラジリアンポップスを極めた感じ。
 次の極めつけ、ハイテンション・ブラジリアン・ファンク“Elis Regina in London” (1969)へと続きます。




posted by H.A.