“Seeds Of Change” (2018) Joe Lovano
Joe Lovano (tenor sax)
Marilyn Crispell (piano) Carmen Castaldi (percussion)
Joe Lovanoの変則トリオ。
大ベテランの大御所にしてECMでの初リーダー作。
テナーサックスと鐘の音を中心としたパーカッションのDuoから始まる静謐で幽玄な時間。
静けさを助長する金属の共鳴音の中、ゆったりと哀しげなフレーズを紡ぐサックス。
ピアノが加わっても空気感は変わりません。
静かに零れ落ちてくるピアノの音、繊細なパーカッション、その中を漂うようなサックス。
終始ゆったりしたテンポ、フリーな色合いが混ざりつつの淡い色合い、予想とは違う方向に流れていく音。
ときおりのセンチメンタルなメロディ、強い音に覚醒しつつ、張り詰めているような、夢の中のような、いろんな質感が交錯する静かな時間が流れていきます。
哀しげであったり、悟ったようであったり。
侘び寂びなんて言葉、禅寺なんて空間が頭を過ぎる、静謐な時間。
そして中盤以降に収められた、いくつかの激しさの混ざる演奏。
残るのは覚醒か、それとも幻想か・・・
そんな幽玄な時間。
posted by H.A.