“Canto Primeiro” (2019) Beatriz Nunes

Beatriz Nunes (Vocals)
Luís Barrigas (Piano) Afonso Pais (Guitar) Mário Franco (Contrabass) Jorge Moniz (Drums) Tiago Canto (Flute) 
Carla Santos, Jorge Vinhas (Violin) Kátia Santandreu (Viola) Emídio Coutinho (Cello)



 ポルトガルのボーカリストBeatriz Nunes、おそらくデビュー作。
 静かなコンテンポラリージャズ。
 サポートはピアノトリオを中心としたアコースティックな音。
 クラシックの香りが漂う端正で美しいピアノと静かなドラムとベース、おそらくジャズの人たちなのだと思います。
 静かで間の多い空間の中の、極めて透明度の高い美しい声。
 少しキャンディな感じもちらほらする微妙なニュアンスで、テクニカルなスキャットまでやってしまう、何ともいい感じの歌。
 中心となるオリジナル曲は、少し不思議系。
 哀しげな表情のようでどこかクール。
 ヨーロピアンなクラシカルで透明度の高い音の中に漂う、微かなエキゾチシズム。
 4ビートもなければ、普通にポップスな感じでもありません。
 メロディも決してキャッチーな感じではないのですが、美しいピアノの音と、さらに輪をかけたような美しさ、図らずとも聞き入ってしまう声。
 さらにときおりのストリングスカルテットが上品な緊張感を付け加えていきます。
 静かに流れていく、何処か不思議な違和感のある綺麗な音。
 大化けする予感、そんな特別な声。




posted by H.A.