『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 (2014)
2014年、監督・脚本アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、出演マイケル・キートン、エドワード・ノートン、エマ・ストーン、エイミー・ライアン、ナオミ・ワッツ、他。
自己を取り戻そうともがく人間の複雑でデリケートな心情を描いた人間ドラマ。
アカデミー賞、作品、監督、脚本、撮影賞受賞。
かつてハリウッド映画でスーパーヒーロー“バードマン”を演じた落ち目の男優が、ブロードウェイの演劇での再起を目指します。
ときおり主人公の意識の中に現れる”バードマン”を中心とした幻想と現実が交錯する構成。
主人公マイケル・キートンの繊細で複雑な表情、エドワード・ノートン扮するクレージーな俳優との不思議なライバル関係、グレてしまった娘との関係、別れた妻との距離感など、個々が孤立して反目しあっているようで、気遣い合っているような微妙な人間関係。
かつてマイケル・キートンが演じた『バットマン』(1989)、『マルホランド・ドライブ』(2001)を想わせる売れない女優役のナオミ・ワッツ、その他、映画界のネタを挿みながら、コミカルなようなシリアスなような、微妙な雰囲気の中でストーリーは進んでいきます。
そしてドタバタのプレビューを経て、衝撃の本公演初日~結末・・・
さて、これはハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか?
主人公は自己を取り戻すことができたのか?
どこまでが現実で、どこからが幻想なのか?
諸々の意味で含蓄の深いエンディング・・・
主人公は自己を取り戻すことができたのか?
どこまでが現実で、どこからが幻想なのか?
諸々の意味で含蓄の深いエンディング・・・
歓喜でも絶望でもない微妙な空気感、現代人の複雑で微妙に病んだ気持ちと、他者、社会との関り、その中での葛藤に共感する人は少なくないのでしょう。
さらに、緩急、明暗のメリハリ、人物のアップが多用されつつの美しい構図は、全編さながら動く名画。
ぶっ飛んでいるようで、チャラいようで、クールなようで、哀しいようで、どこか暖かな深い映画だなあ、と思います。
ぶっ飛んでいるようで、チャラいようで、クールなようで、哀しいようで、どこか暖かな深い映画だなあ、と思います。
posted by H.A.