『A.I.』 (2001)
未来版ピノキオ、あるいはアンドロイドの悲哀を描いたSF。
原案はスタンリー・キューブリックとのことで、事情が許せば彼が撮っていたのかもしれません。
スピルバーグ諸作の中では不人気なのでしょう。
スピルバーグ諸作の中では不人気なのでしょう。
が、ありきたりのファンタジーには留まらない、何ともいえない複雑な思いを喚起する映画。
ごく普通のファミリーに迎えられたアンドロイド。
いじめられ、それでも健気に暮らしつつ、いつの日か人間になれることを想う日々。
珍妙ながら平穏な日々を経て、ふとしたトラブルで家を追われ、浮浪生活を始めます。
珍妙ながら平穏な日々を経て、ふとしたトラブルで家を追われ、浮浪生活を始めます。
立ち振る舞いがとても洒落ている浮浪ジゴロ・アンドロイド他、さまざまなアンドロイドがさまざまな小ネタとともに登場し消えていきます。
そして画面一面に広がる月の場面に代表されるように、とても美しい映像。
紆余曲折を経て人類が滅びていく中、人間に成れることを信じ、海中に沈んだティンカーベルの像をただただ見つめ、魔法を待つアンドロイド。
経つ数千年の時・・・
果たしてアンドロイドは救われたのかどうか?、夢を追い求めることは幸せをもたらすのかどうか?・・・・
とても残酷なストーリーにも思えるし、ほのぼのとしたムードに悲哀が溶けていくようにも感じます。
さまざまな複雑な想いが残る、極上のファンタジー。
posted by H.A.