『アイズ ワイド シャット』(1999)


 1999年、監督スタンリー・キューブリック、出演トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、他。
 スタンリー・キューブリックの遺作となったサスペンス。
 舞台はニューヨークのど真ん中。
 描かれたのはセレブで幸せそうな夫婦の、何気ない猜疑心から生まれた恐怖。
 妻の浮気を妄想し、ふとしたきっかけを頼りに冒険を始める医師の夫。
 強引に忍び込んだ会合は、特定の人間だけが参加できる極秘の儀式のような乱交の場。
 禁断の場に入ってしまったことで窮地に陥る主人公。
 そこから救い出してくれた人物の謎の死、そして自身と家族までに忍び寄る恐怖・・・
 オカルトでもサイコでもない、豊かで平和な生活のすぐ近くにある、悪夢のような世界。
 それを表現したのは、キューブリック独特の怖さが醸し出される美しい映像。
 さらにニコール・キッドマンのちょっと怖いまでの美しさと妖しさ。
 現実での元夫トム・クルーズの落ち着かない様子との対比が何とも面白いというか、こちらは妙に現実っぽくて、何と申しましょうか・・・
 夢の中を彷徨うようなアンドレイ・タルコフスキー、夢を現実のように描くデヴィッド・リンチに対して、現実を夢のように描くスタンリー・キューブリック、ってな感じ。
 何気ない日常のすぐ近くにある恐怖。
 おっと、背筋に寒いモノが・・・




posted by H.A.