『ツイン・ピークス The Return』(2017)

 『ツイン・ピークス』(1990-1991)、その前日譚『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間:Fire Walk With Me』 (1992)から25年後に制作された続編のテレビシリーズ。
 新シリーズでは映画を含めた全体の謎の正体とともに、その背景が見えてきます。
 その上で展開されていくとてつもない世界。
 サスペンスはもとより、サイコ、パラレルワールド、タイムトラベルなどなど、てんこ盛り。
 現代ニューヨークのど真ん中の事件から始まり、ちょっとこれはなんなのよ、な8話を経て、後半に向けて徐々に盛り上がり、もはや終盤の16話、ようやくの主人公復活劇から、17話での感動的な一時的大団円、などなど。
 新たな謎とともに、いい感じのギャグも盛り込みつつ、少しずつ全体が繋がり謎が解けていくように話は進みます。
 が、・・・
 極めつけは最終話、最後の数分間。
 そこまで前シリーズ30話、映画2時間、新シリーズ18話、約50時間かけてやっとまとまりかけていたストーリーが、全くもって見事なまでに予想外の結末に。
 諸々考察しながらガッツリ観てきた人ほど、その裏切られた感というか、やられた感というか、さすがリンチさんというか・・・、そんな何とも言えない感慨は大きいのでしょう。
 流して観てしまうと、迷宮の入り口止まりになってしまいそうでもったいない。
 入り込むためには、気合を入れて時間を掛けて、『ツイン・ピークス』(1990-1991)、『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間:Fire Walk With Me』 (1992)から本シリーズまで、じっくり観るしかありません。
 一歩踏み込んで全体像が見えてくると、ストーリー云々に留まらない諸々の意味で戦慄が走ります。
 いやはや何とも凄い作品。

 さて謎だらけの本シリーズ、つまるところ14話でモニカ・ベルッチがデヴィッド・リンチ扮する捜査官に語っていた以下の言葉が根本の謎であり、また、謎解きの最大のヒントでもあるように思います。
 “We are like the dreamer who dreams and then lives inside the dream.”
 “But, Who is the dreamer?”
 私的には『ロスト・ハイウェイ』(1997)、『マルホランド・ドライブ』(2001)、『インランド・エンパイア』(2006)を発展させ、多重化された”夢”と”現実”、さらに"リアルな現実社会"を加え、交錯させた構造、と捉えました。
 書いてみても何のことやら?なのですが・・・
 さておき、本筋の迷宮を見抜き脱出できた人はどのくらいいるのでしょうか?
 私はまだ迷宮、あるいは夢の中を彷徨っています。
 それが本筋なのか否かさえ、自信はありません。
 でも、それが凄く楽しかったりするのが、なんとも凄い作品だなあ、と思います。


 

posted by H.A.