『ストーカー』 (1979)

ストーカー [DVD]
アレクサンドル・カイダノフスキー
キングレコード
2018-07-04


 1979年、ソビエト連邦、監督アンドレイ・タルコフスキー、出演アレクサンドル・カイダノフスキー、アリーサ・フレインドリフ、アナトリー・ソロニーツィン、ニコライ・グリニコ、ナターシャ・アブラモヴァ、他。
 何らかの事情で出来、隔離された、願いが叶うと噂される場所“ゾーン”、その案内人”ストーカー”。
 物理学者と作家を連れた道案内の奇妙な一旅の記録。
 謎を孕んださまざまな場所、行動、会話。
 軍らしき人々による警護~銃撃、巨大な碍子、迷路のように交錯する進路、廃屋、朽ちた車両、死体、旧い銃撃戦の跡、注射器、水溜まり、流れる水、トンネル、砂、井戸、発電所・・・
 ナットと布を使った奇妙な方向決め、物理学者との離別と不思議な再開、水辺での休息、唐突に現れる黒い犬、科学、芸術、信仰ついての議論、奇妙な電話、爆弾、格闘と鎮静、沈黙・・・
 そして度々発生するセピア、モノクロ、カラーの切り替え。
 奇妙な静けさの中、旅は進み、そして終わります。
 明確な起承転結や謎解きはありません。
 さまざまな会話や行動は、科学者や芸術家、深層心理や哲学、社会、さらには信仰についての嘆き、あるいはアイロニーのようにも映ります。
 そして帰宅後のストーカーの独白による直接的なメッセージ。
 では、それらを含めて考えると、”ゾーン”とはいったい何だったのか?
 あるいは、最後の数分間、妻のカメラ目線での告白、続くカラー映像での娘、動くグラス(形態、内容物が異なる三ヶ、一ヶはテーブルから落ちる)~”歓喜の歌”の意味は何なのか・・・?
 繋がったストーリーであるものの、真のメッセージは何なのか、謎が謎を呼ぶ感性と思考のゲームのような時間。




posted by H.A.