『マルホランド・ドライブ』(2001)

マルホランド・ドライブ 4Kリストア版 [DVD]
ナオミ・ワッツ
KADOKAWA / 角川書店
2017-09-29


 2001年、アメリカ・フランス合作、監督デヴィッド・リンチ、出演ナオミ・ワッツ、ローラ・ハリング、ジャスティン・セロー、他。
 ミステリー、サスペンス、あるいはサイコ何とか・・・ではないか。
 主題はかなわぬ夢を追い求めることの哀しさを描いた人間ドラマなのでしょう。
 が、シンプルな構成ではなく、ストーリー自体が謎、あるいは複雑に入り組んだ迷宮のような映画。
 主人公は女優になることを夢見てハリウッド在住の伯母の家に来た女性。
 もう一人の主役は交通事故で記憶を失い、主人公の家に迷い込んだ女性、持っていたバッグの中には大金と青い鍵。
 この二人の美しい女性を中心に、映画業界の闇の示唆なども含みつつ、静かにストーリーは進みます。
 穏やかに謎が膨らんでいくのは前半まで。
 中盤からはそれらが収束していくのではなく、よじれ、拡散し、妖しさも増幅。
 美しく静謐な空気感はそのままにテンポアップし、何が何だかわからない状態に・・・
 カオスの中から最後に行き着く衝撃の結末、そして真実は・・・?
 ・・・
 一度観ただけで全体の構成、ストーリーを見抜けた人は相当鋭い人、多くの人が何だこりゃ?!でしょう。
 が、気付いてしまえばシンプル、以下ぐらいに留意して観ればいいのでしょうかね?
 ・前半の穏やかさに騙されないこと
 ・中盤過ぎ、真夜中の劇場のMCの意味 
 ・それに続く「青い箱」が開いた場面が転機
 ・夢、思い込みと現実の交錯
 ・・・
 ん・・・?わからん・・・?おかしい・・・?から始まって、ひょっとしたら・・・?と思いながら観直して、矛盾やオカルトのない全体の構成が見えたときの何とも言えない爽快感。
 そして、真実に気付くとこの上なく悲しくなります。
 その意味も含めて、何度も楽しめる最高の映画、と断言してしまいましょう。
 とにもかくにも迷宮に迷い込んだような時間。
 とても美しくて妖しいので、出口がわからなくても楽しめます。

※さり気なく要所、要点をキチンと押さえた素晴らしいPV。
 

posted by H.A.