“The Land That Is Not" (2010) Sinikka Langeland


Sinikka Langeland (kantele, vocals)
Arve Henriksen (trumpet) Trygve Seim (soprano, tenor sax) Anders Jormin (double bass) Markku Ounaskari (drums)

 ノルウェーのカンテレ奏者&ボーカリストSinikka LangelandのECM作品。
 “Starflowers" (2007)と同じスカンジナビア周辺のメンバーでの二管クインテット編成。
 楽曲も同じく北欧トラディショナルの色濃いのオリジナル曲が中心。
 不思議系、深刻系、勇壮系の哀し気なメロディに緊張感の高いヴォイス。
 全体の空気感は前作と同様ですが、カンテレの音が控え目になり、バンドのアンサンブルとヴォーカルが中心。
 クラシック、あるいはアヴァンギャルド系フォーク~ロックのようなヴォイスが前面に出る場面は摩訶不思議なSinikka Langelandの世界ですが、ホーンが前面に出る場面は北欧コンテンポラリージャズ。
 そのジャズ~現代のグルーヴを加えるのは名手Anders Jorminのベース。
 本作でもハイテンションなジャズな場面もちらほら。
 あるいは、聞き慣れないメロディラインの中に、現代的なメロディやコード展開も少々。
 過去の北欧の世界に戻っていきそうでいかなくて、現代の世界に戻ってきたようでそうでもない、漂う違和感、非日常感。
 その北欧トラディショナルとジャズの交錯、バランス~アンバランスがこのバンドのカッコいいところなのでしょう。
 ところどころに現れる、静かな空間に響くカンテレの響きがとても心地よいのですが、その音がしっかり聞こえて、かつ普通にメロディアスなのは“The Half-Finished Heaven” (2013)。
 いずれも非日常の音、どれがいいかはお好み次第。




posted by H.A.