“Sumiglia” (2004) Savina Yannatou & Primavera En Salonico


Savina Yannatou (voice)
Primavera en Salonico:
Kostas Vomvolos (accordion, qanun, kalimba) Yannis Alexandris (tamboura, oud, guitar) Michalis Siganidis (double-bass) Kyriakos Gouventas (violin, viola) Harris Lambrakis (ney) Kostas Theodorou (percussion)

Sumiglia
Universal Music LLC
2005-03-08


 ギリシャのボーカリストSavina Yannatou、ヨーロッパ~地中海の伝統音楽作品、ECMから。
 アコーディオンのトリオをベースにして、バイオリン他の弦、木管が絡み合う揺らぎの強いサウンド。
 少し陰のあるソプラノヴォイスはクラシック系の歌唱、裏表を駆使した変幻自在の表現力ですが、声を張り上げないサラリとした感じはポップス的、ジャズ的でもあるのでしょう。
 とても優し気ですが、呪術的でもあるミステリアスヴォイス。
 基本的には静かでゆったりした音。
 おそらくは中央アジア~中近東~東欧~ギリシャ~地中海の伝統音楽集。
 トルコ~中近東、アルメニア、ケルティッシュ、西欧的クラシック、教会系・・・その他諸々な感じが交錯します。
 楽曲ごとにイメージが異なる感じは、さまざまな地区の楽曲を集めてきているのだろうと思います。
 後の“Songs of an Other” (2007)、“Songs of Thessaloniki” (2014)と比べると、よりメロディアスでセンチメンタルな感じでしょうか。
 少し緊張感、非日常感が薄らぎ、静かで優しい印象が勝ります。
 哀しげな表情の漂うようなサウンドを中心として、祝祭的であったり、祈りのようであったり。
 遠い所を眺めているような、ささくれた気持ちをなだめてくれるような。そんなサウンド。
 とても優しく穏やかな魔術のような音。




posted by H.A.